これを書いている今日、2015年12月25日。
コピーライターの岩崎俊一さんが亡くなって早くも一年が経ちました。
昨年12月20日、67才で亡くなるまで、40年近くお世話になりました。
会えばいつも軽口をたたきあい、憎まれ口を交わしあって仕事をしてきました。
表現とは、ものの見方とは、本質の見抜き方とは。それを教えてくれた岩崎さん。
暮れも押し迫った12月26日が通夜でした。会場に駆けつけると、
そこには癌でやせ衰えた闘病中の写真が飾られ、
硬直した遺体が、痛ましい姿をそのままさらけ出して安置してありました。
ありのままを表現したい。岩崎さんの遺体や会場に飾られた写真は、
会葬者にそう語りかけているようでした。
岩崎さんの最後の表現だったのでしょう。

岩崎さんの事務所から、2015年の12枚組のカレンダーをいただきました。
今年一年、毎月そのカレンダーをめくりながら、亡き岩崎さんと会話してきましたが、
とうとう2015年の最後の月もあと数日になってしまいました。
カレンダーと会話していてふと気づきました。このカレンダーのコピーは、岩崎さんが今日の社会にあてた遺言だったのかもしれない。
その遺言の意味をかみしめながら、あらたな2016年を生きていきたいと思います。